[B]都会の色

妻の就職活動において、
「都会の色」というテーマについての小論文があった。
面白そうなので、少し考えてみる。

都会の対義語は田舎である。
すなわち、都会であるならば、田舎ではない。
対偶を取ると、田舎でないならば都会である。

一方田舎とは、自然と共存した環境である。
したがって、次のことが言える。
自然と共存しないならば、都会である。(1)

自然と共存するとは、自然の一部であると考えることができる。

ここで色について考えてみよう。
ナチュラルカラーというものが存在する。
これは、色のHSV空間において、
彩度が小さいものとされている。
自然色は、これに該当するという考え方だ。

これを、(1)に当てはめると、
一部がナチュラルカラーでないならば都会の色である(2)、と言うことができる。

全てがナチュラルカラーでないものは、一部もナチュラルカラーでない。
すなわち、(2)に当てはめると、
ナチュラルカラーでないならば都会の色である(3)、と言える。

(3)をHSV空間に当てはめると、
彩度が高いならば、都会の色である(4)、と言える。

ここで、色相について考えてみよう。
自然とは、定常であると考えられる。
すなわち、変化が激しいものは、自然であるとは考えにくい。
RGBで色相を考えよう。
自然の中で、変化の少ない色相とは、空の青と、葉の緑である。
赤は、花や紅葉が考えられるが、どちらも季節による変化が発生するため、
定常であるとは考えられない。

したがって、自然である色相は、青と緑の領域となるため、
自然でない、すなわち都会の色相とは、赤周辺の領域である(5)。

以上のことから、都会の色とは、
赤に近似できる色相、または彩度の高い色、ということができる。