素晴らしい本である。
モチベーション3.0によると、現代のモチベーションの要素は以下の3つとなる。
- 自律性
- 熟練性
- 目標
である。上記2点については合意をしたい。
しかし、3つめの「目標」についてどうしても引っかかるのだ。
自律的な行動に、目標は必要だろうか?
目標を持てば、自律的な行動に繋がる。これは同意したい。
しかし、自律的な行動ならば、目標を持つだろうか?
フローという概念がある。これはメンタルにおける状態である。
フローの状態は、
集中力が極限まで到達し、環境や時間をまったく意識しなくなる。
現在行なっている行為に全神経が注がれるのである。
このとき、言語を羅列したような、
目標は必要であるとは限らない、と思う。
なぜならば、フローの状態においては、
自分の持っている(よりほんの少し高い)スキルを即実行できるのだ。
判断を必要としない。
この状態は、目標に向かって突き進む、というよりも、
自ずから熟練していく過程であって、
なりたい方向性を意識していないと思うのだ。
すなわち、「無心に取り組む」とはこのことだ。
つまり、目標はモチベーションの必要条件ではあっても、十分条件ではない、
と筆者は思うのだ。
おわりに
チクセントミハイの「フロー体験 喜びの現象学」を読み進めるとしよう。
最近サボり気味だ。
チクセントミハイは大変尊敬できる人物であり、素晴らしい文章を書くけれども、
説明がすこし長いのだ。