その日はいつもの様子と少し違った。開架室が何やら騒々しかった。私が首を曲げると、学生たちが、発表用のポスターを制作しているのが見えた。私はどんなことをやっているのか、覗きに行くことにした。彼らはマンガやアニメーションについてまとめているようだ。
驚いたのはそのポスターである。私は呆れた。細かな文章で埋め尽くされていた。一体、誰がその小さなフォントの文章を読むのであろうか?
マンガやアニメーションは、聴衆に情報を伝達する、優れた技術の一つだ。その技術について、(皮肉なことに)テキストでまとめ直す必要があるのだろうか?
このような事態は学生に限ったことではない。むしろ一般的でさえある。ビジネスマンも、箇条書きのびっしり詰まったパワーポイントを多用する。
もうやめないか?文章に頼るのは。文章は情報を伝達する手段の一つであって、万能ではない。この点において我々は勘違いを犯している。ニーチェは言う。”あるのは解釈だけである。” 細かな文章は、内容でなく、もっと直感的な印象、つまり読む気が失せるというメッセージを与えうる。どんなに優れた文章であっても、それが読まれなければ意味を失う。