[B]ユングによれば、悟りと"うつ"は隣り合わせ

瞑想とユング心理学によると、宗教学とうつには密接な関係があるようです。

キリスト教では
「できるだけこの暗闇(うつ)に住することに慣れるようにしなさい。
できるだけ頻繁にこの暗闇に戻りなさい」
とあり、禅では
「智慧の大きな丸い鏡は、松脂のように黒い」
と表現されています。

ユングは、うつを
「自我がその影(人格的に抑圧され、嫌悪され、認められなかった側面)
に直面した結果」とされています。

西洋の心理学では、
意識の上に自我があるため、切っても切れない関係にあります。

ところが東洋の心理学は、
究極の理想は、自我なしに意識を考えること(=悟り)
となります。

自我を消滅させると、反動で、抑圧されてきた部分が露出することでしょう。

したがって、悟りに足を踏み入れることは、
危険な行為であると認識されているようです。

同じような思想がキリスト教にもあり、
「生きたまま神に会ってはならない」
とのこと。きっと自我を捨て去らなければならないからなのでしょう。

しかし、参考文献には、
「うつは哲学の黄金」
とフォローされています